4/1 備忘録

年度が変わった。緩やかで漫然とした絶望は変わらない。

 

あまり絶望とか無とか考えるのは健康によくない。思索を殺して希望を得る。

 

 

ここのところ意識して小説を読むようにしている。心が動くから。高校生くらいまでは多くの本に感動できていたのに、最近それが分からなくなりつつあるんじゃないかと恐ろしい。「麦の海に沈む果実」を読んだ時の衝撃は覚えているけど、それがどんなものだったか肌で思い出せなくなりつつある。このまま徐々に何にも感動できなくなり、音楽も本も懐古するばかりになり、日常の愚痴と些細なうっぷんを垂れ流す大人になるのか。

 

思っていることを文字にするといかにも自意識過剰な青春小説の主人公みたいでうんざりする。いかにも「主人公は子供から大人への過渡期で、欺瞞やくだらない建前に敏感であり反発する。言いようのない無力感、絶望感、厭世観にとらわれ、また失われていく感性、感情に縋りつきながらそれを引き留めるすべを知らない。」なんて「あとがき」に書かれそうな。クソだ。

 

・シカゴ育ち(スチュアート・ダイベック

製氷庫の話が良かった。クスリ漬けで酒浸りの若者がもがき葛藤しながら美しく破滅していく話は大体最高。時折挟まれる超短編もいい。

 

日はまた昇るヘミングウェイ

淡々とした語りに痺れる部分が所々あった。厭世主義、その日暮らしみたいな典型的な青春小説。関係ないけど酒飲みすぎ。仕事緩すぎ。

 

ライ麦畑でつかまえてサリンジャー

今更サリンジャーかよって感じだけど。まさに大人と子供を揺れ動く少年が主人公で、共感できる部分もあるんだけどいささかセンチメンタル過剰な部分もある。高校生の時読みたかった。本当にしょっちゅう参っちゃうんだよな。自分には堕落する勇気はないけど。

 

・名短編ここにあり(宮部みゆき北村薫選)

息抜き。さりとて心に残った話はないけど、それまた一興。

 

その他、何冊か読んだけど忘れた。ちゃんとつけて忘れないようにしたい。